記憶を10倍定着させる、私の仕事術(お気に入りの文房具とその使い方について)

ぼくはこれまで、色々な仕事術を試してきたが、どれもあまり定着することはなかった。しかし唯一、習慣として続いていることがある。それは他ならぬ、自分であみだした方法だ。大げさなものではないのだが、今日はそれを紹介しよう。

人生を変えた、私の仕事術

仕事術なんてものは世の中に溢れかえっている。仕事がうまくいかなくて困ってるのはぼくだけじゃないのだと、たくさんの本を読みあさったものだ。GTDしかり、ファイルの整理術しかり、それぞれ、方法はすばらしい。しかし、ものぐさな自分には長続きしなかった。どうも仕事術自体が重荷になってしまう。そう、面倒くさいのだ。
 
どうやら、ぼくに続けられることと言えば、「限りなく負荷が低くて、日常生活の中でも特に意識せずにできること」に限られているようだ。悲しいが、めげる事なかれ。簡単なことから始めようではないか。小さな一歩を踏み出せば、いずれ大きなことも出来るようになると、信じている。
 
前置きが長くなったが、ぼくが習慣化している仕事術は以下の通りだ。
 
「ノートをスキャナで取り込み、PCに保存する」
 
ただそれだけ。
 
仕事術というより、だたの方法。しかし、ぼくはこの方法で、仕事のヌケやモレをずいぶん減らしたし、それまでの何倍も大切なことを憶えている。
 

この方法には大切なポイントが2つある。

1つめは道具、「なにより道具選びが大切だ」

ぼくが愛用しているのは、マルマンのノートパッドとPILOTの消せるボールペンという組み合わせだ。この組み合わせが、実にいい。
 
ノートについて説明しよう。ぼくが使っているのはマルマンのニーモシネというノートだ。これは、ぺりぺりと一枚一枚切り離せるタイプのノートパッドになっている。切り取った後のノートがちょうど規格どおりのサイズであるため、とてもスキャンし易い。ぼくがよく使うのはA5サイズのノート。紙質も丈夫で、決してヨレたりしないので、スキャナの目詰まりも起こさない。ごくごく簡単に作業できること。これが何よりのポイントで、ものぐさなぼくでも、自然に習慣化できている。スキャンに手間取ってしまっうようでは、決して長続きはしなかっただろう。
 
ついでにフリクションボールについて説明する。いわずと知れた消えるボールペンだ。2007年に発売され、いまではたくさんのラインナップがある。ぼくは10年来の愛用者で、最初は「こすると消えてしまうなんて、インクの耐久性は大丈夫なのだろうか?」と思ったものだ。長年使い続けてきたが、今のところ実害はない。似たような製品もあるのだが、ぼくはやはりフリクションボールの書き心地が好きだ。ペン先0.7mmを愛用しており、とても力強い線をひくことができる。色は青と赤を使うことが多い。ふだん書きは青を使い、アクセントとして赤を使うといった具合だ。
 
なお、スキャナについて、オフィスでは備え付けの複合機を使用している。とても早く連続スキャンができて、LAN経由でPCにファイルを転送してくれる。ゆえに、作業の負荷がほとんどない。自宅では小型のドキュメントスキャナを机の脇に置いている。ぼくが持っているのはScanSnap S1300で、もうずいぶん前に買ったものだが、とても気に入っている。

2つめは方法、「記憶を定着させるスパイス」がある

スパイスとは、記憶を定着させるためのちょっとして工夫のことだ。ちょっとした、というところがとても大切だと思っている。
 
ぼくはスキャナで読み取ったノートを、PDFで保存している。ひとつの纏まりごとにタイトルをつけて、全て同じフォルダに保存している。テーマごとにフォルダを分けても良いのだが、ここでも面倒くさいことは決してしない。タイトルさえちゃんとつけておけば、あとで目的のファイルを見つけることができる。タイトルのつけ方は色々あるが、ぼくは基本的に、次のルールでつけている。最後の項は、検索時にノートを見つけ易くするためのスパイスだ。
 
 日付 + 主題+ 人名あるいは自分の感情など
 
また、ぼくはある程度ノートを書き溜めたところで、まとめてスキャンする。その方が作業の手間がかからないし、時間をおくことにより記憶の定着を促している。タイトルをつけるためノートの内容を簡単に見返すのだが、この時、忘れていたことを結構思い出す。時を置いて思い返したことは、記憶に残りやすい。自慢じゃないが、ぼくはあまりノートを見返す習慣がなかった。これは今思い返せば致命的なのだが、ノートの保存作業はそんなぼくに、優しくノートを復習させてくれる。
 
一歩踏み込んで、さらに記憶を定着させるための秘訣がある。それは、ノートの保存と同時に、ポイントや思い出したことを、何かに書き出していくのだ。これは手帳や紙よりも、電子媒体がよい。すべてのノートについて、この作業を行う必要はない。本当に大事なことや、覚えていたいこと、あるいは自分の素晴らしいアイデアを書き出しておけばよい。そうすることで、記憶はもっと定着するし、何より簡単にそれらを見返すことができるようになる。
 
スキャンしたノートはさっさと捨ててしまおう。だってあなたのノートは、しっかりPCに保存されているのだから、なんの心配もない。これで机の中はいつもスッキリするし、大量のノートを溜め込むこともなくなる。思うにノートの良さは、書く内容の自由度と、買いたページの見やすさにある。しかし欠点として、どうしても物理的にかさばってくるし、一冊のノートの中に重要な情報とそうでないものが混ざってしまう。たいして重要でもない情報を、物理的に抱え込まないことは、実に気分がいい。
 

最後に、自分のスタイルを作ろう

ぼくは、A5サイズのニーモシネに専用のノートカバーをつけ、ペンを一本差し込んでどこへ行くにも持ち歩いている。何か思いついたことがあったら、いつでもどこでも、ノートをひらいて書き込む。簡単なメモからアイデア出しまで、なんでもこなす。パソコンやスマホのように、欠かせないぼくの相棒。そう思えるような道具や方法を、あなたにも手に入れて欲しい。
 
以上、とても簡単な仕事術であったと思う。しかし何度も繰り返すが、簡単であることが何より大切なのだ。どんな仕事術であっても、特に意識しなくても続けられることが重要だと、ぼくは思う。毎日少しずつ工夫を重ね、自分のスタイルとして習慣化することが大切なのではないだろうか?