学歴と就職、仕事ができるという事の関係について

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会社人生と学歴

学歴ほど人生についてまわるものはあるだろうか?ぼくは、それなりの規模の企業で働いているが、否応なしに学歴を意識させられることがある。石を投げれば有名大卒にあたるような環境だ。上を見ればきりがなく、地方大出身は肩身が狭い。個人的には、学歴なんて人を測るにはあまりにも偏った物差しだと思っているが、世の中そうは問屋がおろさない。自分の所属する会社や組織の価値観には、否応無しに影響を受けるものだ。

 

今回は誰しも多少は意識せざるを得ない学歴について書く。仕事ができるという事への影響、就職活動への影響を考える。いずれも実体験を通して感じ、考えたことだ。

 

仕事ができるという事と学歴について

結論からいうと、学歴と仕事のできは無関係だ。より正確に言えば、学歴は仕事ができることについて必須の条件ではない。もちろん、地頭がよいことは仕事をする上で望ましい。職種によっては一定水準の学力や専門性が必要であることは否定しない。しかし、「学歴」=「仕事ができる」という事には、必ずしもならない。より上のキャリアをもつ者が、常に良い結果を出す訳ではないのだ。これは実体験を通じて確信している。

 

では、学歴以外に、仕事のできに直結する重要な要素は何かと言えば、代表的なものは忍耐強さや人間関係の形成能力だろう。あたり前かも知れないが、仕事で結果を出す上で、とても大切なことだ。忍耐強さについては、往々にして学歴の高い人の方が優れている傾向があるが、人間関係の形成能力は学歴とはまったく関係がない。頭はいいんだろうけどこの人ちょっと、、というような人は沢山いる。人の事は言えないが、ぼくはそういう偏った人たちをたくさん見てきた。

 

そして、世の中にある多くの仕事には、天才的なひらめきなど必要ない。確かに面倒くさい仕事、ややこしい仕事はたくさんある。しかし、細かなステップに分けて一つ一つ進めてゆけば、凡人にだってできる。世の中は大多数の凡人で成り立っているのだ。もちろん、人それぞれ仕事を進めるスピードに差はあるだろう。ゆえに、それを上手く進められるスキルや人間関係、ひたむきな姿勢が、仕事での成果につながるのだと思っている。やや泥臭い話だ。

 

話が逸れてしまうが、出世するには仕事のでき以上に、人間関係がとても重要になってくる。どんな上司もかわいい部下を昇進させるものだ。世の中、結局、好き嫌いで動いている。出世させる側(上司)の実益を考えても違和感はないだろう。仕事ができる部下、使いやすい部下が昇進するのは当たり前の話だが、上司から見れば、自分に歯向かわない部下、自分を盛り立ててくれる部下を引き上げることは、自分の立場を守る上で重要だ。概して組織はイエスマンはかりで固められてしまうことになるが、その末路はいかなるものか?これについては別の機会に考えたいと思う。

  

就職活動と学歴について 

学歴は就職に無関係かというと、大いに関係する。これは万人が認めることだろう。学歴と仕事のできは無関係なのにあんまりじゃないか、と思わない事はないが、事実なのだから仕方がない。就職活動の選考過程には明らかに学歴のフィルターが存在する。これは企業側から見て、効率よく採用活動を進める上で極めて合理的だ。大手企業には膨大な数のエントリーシートが届く、彼らのモノサシでもって効率的にフィルタリングされるのは仕方がないことだろう。

 

なぜなら、話をひっくり返すようだが、学歴が高い人のほうが、仕事ができる確率が高いからだ。学歴は仕事のできとは関係ないことは先に書いた。これは仕事の成果にとっては、今、どのようにとり進めるかが何より重要だからだ。しかし、仕事のできとは無関係と言っても、仕事に対する人のポテンシャルはある程度学歴と相関する。長く苦しい受験競争を勝ち抜いてきた人は、相応に忍耐強く、目標達成に向け計画的に物事をすすめることが期待できるからだ。これは仕事を進める上でとても重要な資質だ。

 

そして、多くの組織が社員に求めているのは、何より忍耐強くて従順であることだと、ぼくは理解している。組織における仕事は細分されていて、正直つまらない事が多い。いつもいつも自分のやりたい事をできる訳ではない。そのような状況で責任感を持ち、仕事を黙々とこなすには強い忍耐力が要求される。確かに、頭の善し悪しに個人差はある。しかし、所詮そんなもの50歩100歩。一部の例外を除き、ぼくは人の能力にそれほど大きな差はないと思っている。しかし、忍耐強さの一指標である学歴は高いにこした事はないのだ。

 

残念ながら、これからも学歴は就職に大きな影響を及ぼし続けるだろう。学歴がその人の能力や専門性、そして忍耐強さの一指標である以上しかたがない。だけど、先に触れたように、仕事で成果を上げるには学歴では測れない大切なことが沢山ある。思うに、新卒採用において面接時に部活や課外活動についてのやりとりが定番となっているのは、これが理由かも知れない。外国人から見たら、日本特有のこの様なやり取りはとても奇異に映るらしい。しかし、面接官が学力以外の要素を推し量っていると考えれば、一理あるのだろう。

 

会社人生と学歴、その向き合いかた

一部の人にとっては代え難い誇りであり、大部分の人にとっては悩ましい過去である学歴について、ぼくたちはどういった姿勢で日々の実生活と向かい合えばよいのだろうか?。もちろん、答えは人それぞれだろうが、ぼくはまずもって気にしないように努めている。学歴を鼻にかけても良いことはないだろうし、逆に不要な劣等感を覚えても悪い方に転んでしまう。会社によってはいつまでも学歴の呪縛がつきまとうこともあるだろう。完全に無視することはできないかも知れない。しかし、大切なのは今なにをするか、そして将来なにが出来るようになるか、ここにフォーカスすることだと思っている。過去の呪縛に捕らわれる事なく、より良い未来を掴むために、今と真剣に向き合うことが大切だ。結局は自分次第なのだから。